VETkun’s blog

獣医学生 ブログ

犬猫の血液検査について(血液化学検査編その②)

 


はじめまして、獣医学生のVETkunです。

年に数回自分のペットを健康診断に連れていく方は多いのではないでしょうか。

今回は、健康診断でよく行われる血液検査について実際の犬猫の血液検査表に近いものをもとに意義などを血液検査編と血液化学検査編(その①-その③)と分けてご紹介していこうと思います。

飼い主さんも今回の内容を知っておくことでペットに対する食事なども考えることができたりして理解も深まるのではないでしょうか。

ぜひ、参考にしてくだされば幸いです。

まず、皆さんがよく目にするような血液検査表を作成したのでご覧ください。

 

血液検査 検査日 年 月 日

検査項目

単位

Cre

クレアチニン

mg/dl

ALP

アルカリフォスファターゼ

U/I

GGT

γ-GTP

IU/I

Na

ナトリウム

mmol/dl

K

カリウム

mmol/dl

Cl

クロール

mmol/dl

これらの項目について、それぞれの意義と犬猫の基準値、主な考えられることを説明していこうと思います。

 

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Cre(クレアチニン

クレアチニンは、血中非タンパク性窒素化合物の一つであり、主に筋肉内でクレアチンから非酵素的脱水反応により産生される最終代謝産物です。クレアチニンは生物学的活性を持たず尿中のみに排泄され、腎機能の低下とともに血中で上昇するため、腎機能の指標に用いられています。

犬猫の基準値

0.2-1.6mg/dl

考えられる主なこと

 

【基準値より高値の場合】
腎不全、尿毒症、尿路閉鎖、腎機能障害など

 

ALP(アルカリフォスファターゼ)

生体の細胞膜に広く分布し、アルカリ側のPHでさまざまなリン酸化合物を分解する酵素

犬猫の基準値

14-142U/I

考えられる主なこと

 

【基準値より高値の場合】
肝機能障害、胆汁うっ滞、ステロイド、クッシング、腫瘍など

 

GGT(γ-GTP

ペプチドのN末端のグルタミン酸を他のペプチドまたはアミノ酸に転移する酵素であり、グルタチオンなどの生成に関与している酵素

犬猫の基準値

0-15IU/I

考えられる主なこと

 

【基準値より高値の場合】
肝機能障害、胆管閉塞、胆管系の疫病など

 

Na(ナトリウム)

電解質成分のひとつで、からだの水分の保持や浸透圧の調節(酸・塩基平衡)などの働きをする。

犬猫の基準値

102-117mmol/dl

考えられる主なこと

 

【基準値より高値の場合】
高体温、糖尿病など

 

【基準値より低値の場合】
ネフローゼ心不全、アジソンなど

K(カリウム

神経の興奮や心筋(心臓の筋肉)の働きを助ける、生命活動の維持調節に重要な電解質

犬猫の基準値

3.4-5.2mmol/dl

考えられる主なこと

 

【基準値より高値の場合】
溶血、アジソン、高血糖など

 

【基準値より低値の場合】
嘔吐、下痢、腎不全など

 

Cl(クロール)

電解質成分のひとつで、からだの水分の保持や浸透圧の調節(酸・塩基平衡)などの働きをする。

犬猫の基準値

102-117mmol/dl

考えられる主なこと

 

【基準値より高値の場合】
脱水など

 

【基準値より低値の場合】
高脂血症、嘔吐、アジソンなど

 

 

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